勤務予定時間を「貯めておく」ことを強要する教授
ウチの教授は,雇用関係にある院生(または学部生)に対して,勤務予定時間中に,仕事をしていなかった時間を計算して,「貯めておく」よう強要する。
例えば,ある日の勤務予定時間が,13:00~17:00だったとする。
その日いつも通り出勤して,今日は何をすればよいかと聞いたとき,「今は頼みたいことがないから,勤務予定時間を貯めておいて」と言うのである。しかも,厄介なことに,「まだ帰らないでしょ?頼みたいことができたら言いに行くから,部屋にいてね。」とも付け加えるのである。にも関わらず,その後,何の声掛けもなく,いつの間にか教授だけ先に帰宅していたりする。
そして,勤務予定時間外である別日など,院生が自身の研究を進めている時に突然,「この前貯めておいた分,いま使うわ」と言って,突然,仕事を依頼してくるのである。
これは,そのように強要される側からすると,堪ったものではない。理由は大きく2つある。
1.自分のスケジュールをめちゃくちゃにされる
院生にも自分のスケジュールというものがある。今から3時間はまとまった時間がとれるから,この時間に論文を書いてしまおうとか,実験の準備をしておこう,といった計画を立てているのである。その最中に,予期できないタイミングで,作業を中断して別の仕事をせよという命令が頻繁に下されるというのは,非常にストレスである。
何のための勤務予定時間なのかという話になる。
2.待機時間が労働時間として考慮されていない
教授の言い分としては,「自分の好きなことをしながら部屋にいるという時間は,待機時間であっても,勤務時間には含まれない」ということらしい。しかし,この時間は,「部屋で待機する」という条件に拘束されているという点で,行動の自由を奪われている時間である。例えば,図書館へ資料を読みに行くことなどが許されないのである。
このような時間を,労働時間として一切加味しないというのは,いかがなものであろうか。
「貯めておいて」という表現を,サラッと口にするという点にも,配慮が感じられない。なぜなら,教授にとっては,労働力を「貯めておく」のかもしれないが,院生にとっては時間を「利子付きで借金する」のと同義であるからである。
今は,雇用関係にないため,大学に行かないことで,このような被害から逃れることができているが,別の問題が発生している。
この先,被害者が出ないことを願うばかりである。